光の減速・静止に成功、英サリー大研究、光データ記憶技術強化に期待


光の減速・静止に成功、英サリー大研究、光データ記憶技術強化に期待


英国サリー大学(University of Surrey)の研究チームは14日、
光を徐々に減速させ、ついには静止させることに成功したと発表した。
将来の超高速コンピューター開発に向けた大きな前進になるとしている。

この研究はサリー大学のOrtwin Hess教授と大学院生の
Kosmas Tsakmakidisさんが実施し、英科学雑誌ネイチャー(Nature)
に論文が掲載された。「trapped rainbow(閉じこめられた虹)」
と名付けた技術を使い、電子に代わって光に情報を記録することで、
光データ記憶技術の強化につながるという。

光を制御できれば、光データのパケットが一点に集中する状態の解消
にもつながる。一部のパケットを減速させてほかのパケットを通過させ
れば、渋滞を解消するような形でデータが流れやすくする。

研究では、メタマテリアルという複合素材の特性である「負の屈折率」
を活用した。光は通常の物体に遮られた場合、即座に跳ね返るわけでは
なく遮断物をよけるようにして前に進む。一方メタマテリアルが使用さ
れた場合、光は物体に添って逆行する。

ヘス氏は、負の屈折率を持つメタマテリアルの層で「サンドイッチ」
状に囲んだガラスのプリズムを作成。プリズムは先端がとがった形をし
ており、白い光のパケットを、このプリズムの広い方から入れて通過さ
せると、とがった先端部分に向かって進みながら減速し、やがて静止し
て動かなくなる。

「Trapped rainbow」の名称は、白い光の周波数が
赤・燈・黄・緑・青・藍・紫の7色で構成されていることに由来する。
研究ではこの構成を利用して各周波数を1つづつ別々の地点で停止させ、
最終的に光そのものを停止させた。

同大学が発表したプレスリリースは、この技術によってデータ処理技術
を大幅に向上させる道が開けたと解説。
「これまで光を減速させるためには超低温などの環境が必要で、
コストも非常に高かった。今回の技術により、コンピューターのような
機器のメモリー保存に電子ではなく光を使うことが可能になり、
容量の1000%増大も実現可能になる」と述べている。

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